STM体験記

STM体験記

Cさん(社会人 : 女性)の体験記
■ 6月1日(木) - PreShow Meeting

STM全員が集まり、NOC、STMメンバの顔合わせと、作業説明のためのミーティング。
会場の受付でSTMバッチとShowNet全体のtopology図をもらい、サインする。
名前が書かれている席に着席。たぶん、チームごとの座席っぽい。
チームは3人一組。
ちょっと色々不安だったりしたが、同じチームのHotStageから参加の人が色々教えてくれるので安心。
基本のチームは3人一組のメンバが決まっているのだが、今年はチームの枠を超えて、やりたい人とかで2,3人のメンバで作業することもあるらしい。
NOCの人とも一緒に作業するかもしれないとのこと。
NOCメンバ紹介、STM自己紹介とSTMマニュアル説明、実際のSTMの仕事について話があった。

・NDAについて
ここで見たり聞いたりしたことは外に絶対漏らさない。
特に悪い面など、会社の機密(営業にかかわったりする)ので細心の注意が必要!
70社が機器を提供していて、スポンサーが来年も気持ちよく提供してもらえるように。
受付で渡されたtopology図の紙1枚でも落とさないよう、自分で責任を持つ意味もこめて名前を書く。

・ShowNetについて
絶対落ちないNW
メッセージを持ったNW
needs以上の、こういう使い方したらおもしろい。新しい機械を入れてチャレンジ。

・STMのお仕事
ShowNetの構築・運用・撤去。
カウンタ業務、cafe、TVなど、説明会に言われた内容と同じ。
ディスパッチャが作業の割当を行う。

まずは名前を覚えるのが大変。。STMだけでも42名。
作業はシフトで、いくら夜にずれても会期中は朝からなので、昼夜逆になったときにはかなり辛いことになるらしい。

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■ 6月2日(金) - STMの作業は今日からスタート。

まずは、NSC room(STMが生活する部屋)の荷物整理から。
事務局の荷物や、設置する端末などダンボールに入っているのが机の上に山積みの状態。
仕分けして、自分たちが生活できるようにする。
また、NSC roomの一角にケーブルショップが設けられ、ケーブルの種類、長さ別に分けて置かれてある。
ここで、光ファイバの種類、コネクタなどを教えてもらう。
普段の業務では光ファイバを扱ったことがなく、実際に手にとって見るのは初めて。
曲げ半径に注意したり、UTPより慎重に扱わなくてはならない。

・LANケーブル敷設
STMもShowNetのネットワークを使用するので、NSC roomのケーブル配線、また事務局、contributerの部屋へLANケーブルを敷設、コネクタを取り付けたらLANケーブルテスター正しくできているかどうかを確認。
テスターを触るのも初めて。視覚的に結線状態が見れたり、ケーブルの長さなどの情報も確認することができるのは面白い。

・POD連結作業
各hallに設置されるPODでラックを連結させる。
まず、PODにドロップケーブルが落ちているのをすべて伸ばし、ファイバーとUTPを分けて、同じ長さのケーブルを纏めPODの中央に収納。後で、パッチするときにしやすいように纏めておく。
このとき、八の字巻きを教えてもらう。解くときに絡まらない巻き方。
大量のケーブルを扱うのは結構大変。UTPケーブルは纏めるとかなり重い・・・。
PODの連結後、パッチパネルに裏パッチ。ファイバはコネクタ端面をクリーナで拭いてから裏パッチ。

メッセ内はまだPODのみ、何にもないhallを見たりするのはなかなかない経験かも。
また、遠いHallへは自転車で移動する。
日頃はデスクワーク中心な生活なため肉体労働などは慣れなく少し疲れたが、初めて経験することが多く色々勉強になる。

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■ 6月3日(土)

・ドロップチェック
各出展社ブースに提供するドロップケーブルにPCを繋いで、ネットワーク疎通テストを行う。
IPがv4,v6で取れるか?pingが通るか?tracertで正しい経路で外に出ているかなどを確認する。
これらの一連のチェックをバッチファイルで実行できるように同じチームの人が書いてくれた。
作業効率が上がり、チェックも簡単に行えるのでとてもありがたい。

会場内にはまだ電源がないため、光ファイバの場合はスイッチとUPSを台車に積み、会場を回る。
まず、小間図を見て対象出展社を探すが、まだブースの造作が行われていないので、場所を見つけるのもちょっと苦労。
ドロップケーブルを降ろすときに使うのが如意棒と呼ばれる棒。
ケーブルにタイラップがつけられているので、この棒で引っ掛けてケーブルと手繰り寄せるのだがこれが結構難しい・・・。ドロップチェックしていてUPLinkしないものもある。パワーメータで計測す るが光がきてない。NOCに連絡し、確認するとPOD内のケーブリングができていないとのことで後ほどチェックすることになった。

・セキュリティチェック
出展者によって、WORMやウイルスチェックを申し込んでいるところがある。
そのチェックのため、nmapでのportscanや、擬似的にウイルスメールを送った り、メールの流量制限テストして、正常に動作しているか確認する。
また、セキュリティ対策をしているブースからの経路は通常と違った経路をとるのでtracertでの経路チェックも注意が必要だ。

・LANケーブル敷設
contributer部屋へ無線LAN監視用に、NSC部屋から線を1本カッパー引く。
長いケーブルが必要なため、先にケーブルを引き、長さを決めてからコネクタ作成。
また、NOCのサーバラックから来場者使用端末(kiosk)までケーブル引き回し。
ケーブル敷設は何度かやってるので、ようやく慣れてきた感じ。

・新規出展社のドロップチェック(POD7)
PODに落とされてるドロップケーブルをPODのパッチパネルに接続、パッチパネルからSWにケーブリング。
その後、出展社ブースでドロップチェック。
機器からのパッチおよびドロップの疎通確認(IPv4/v6 ping tracert、portscan、ACL確認)は問題なく終了!

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■ 6月4日(日)

今日から出展社ブース造作が開始。メッセ内にクレーンやトラックなどが入り出す。
明日より出展社向けにネットワーク接続トラブル、ドロップリクエストなどを受け付けるNSCカウンタをopenする。
脆弱性検査の申し込みの受付の対応や、clean LANというwindows updateを安全に行えるネットワークを提供しているので、その対応方法の説明を受ける。
ネットワーク接続トラブルなどのときはヒアリング能力も必要となってくる。
ただ、つながらないと言うことだけを受け付けるのではなく、症状をできるだけ聞く。
お客様のスキルレベルも考慮し、わかりやすい対応を心がけなくてはならない。
待機しているSTMがトラブル対応することを考え、少しでも情報を得ておきたい。
受け付けた内容はTTDB(トラブルチケットデータベース)というwebシステムに入力し、1件が1つのチケットとして管理される。そのチケットをSTMディスパッチャが確認し、STMに指示を出し対応をする。
対応履歴もチケットに追記していき、解決するとクローズされる。

このようなトラブル対応をする中で、IP電話、シーバ、チケットシステム、チームでの作業などでリスクヘッジを行っている。出展社の人はお金を払って出展しているので、お客様への対応や品質も重視しなくてはならない。

・国際会議棟の準備
コンファレンスの講師の方や来場者にネットワークを提供するため、NOC前にあるPOD、SWを国際会議棟まで運び込む。
メッセからの構内配線をし、PODまでの疎通確認を行う。
ラック内の配線しなおし。提供してもらってる機器が見えるように、また、ラック内をきれいに見せるように配線。

・ドロップチェック
ブース造作時間外でないと会場で作業できないので、メッセ内での作業は夜になる。
品質の向上のため、2回目のドロップチェック。
ドロップの下で自分が生活できるように、自分がチェックしたと自信を持っていえるように。
ブース造作が開始されているため、高所作業をしにくいので注意が必要。
足元には釘なども落ちているので気をつけなくてはならない。
multicastなども見れるか確認する。

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■ 6月5日(月)

・NSCカウンタ
カウンタでドロップリクエストなどの受付対応。
ドロップ位置の変更などの依頼もあった。
後は、会場内の道案内なども聞かれたりする。
カウンタ内にはIP電話が置いてあり、NSC roomのSTMディスパッチャと常時つながっている状態になっているので、困ったことやわからないことがあれば電話で聞くことができる。

・ドロップリクエスト
STMディスパッチャがSTMをディスパッチ。
特にチームでということではなく、手を上げた人の中でディスパッチされたりする。
待機STMメンバがttdbで出展者情報、小間番号などを確認して、各出展者のブースに向かい対応する。
お客様のブースを訪問するときには丁寧な対応を心がけ、ブースにお邪魔するという姿勢で。
作業前にはきちんと説明をし、作業終了後は確認をしてもらい、サインをもらって終了。

・kiosk端末のIP振り替え
serverセグメントにkiosk端末を入れていたが、来場者が使用する端末がserverセグメントにあるのはよくないので、切り離し、新規のセグメントにする。

・会場内監視
メッセ会場内を監視し、クレーンなどが動くときシーバで連絡する。
ドロップケーブルなどが引っかからないか、注意してみておく。

出展社ブースがだんだん出来上がってくるのを見てるのは結構楽しい。

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■ 6月6日(火)

・トラブルチケットの対応
外部への接続ができない、ネットワークが不安定、遅いなどの対応。
ShowNetに繋ぎたいというリクエストなどもあったりした。
トラブルの場合はL1レベルから確認。IPは取得できているか、pingでの疎通確認なども。

・PODの片付け
明日から会期が始まるのでPODの中の片付けをする。
外から来場者に見える範囲に不要なものが落ちていないかチェック。

・ShowNetCafe
Cafeの説明員なども行うため、展示の説明を受ける。
山田オルタナティブに感染してみて、情報漏洩のデモをしてみせる。また、winnyのネットワークにファイルをUPしてみせ、伝播の様子をみせる。

会場内は、明日から会期が始まるので出展社のブースではリハーサルなどが行われたりしている。

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■ 6/7〜6/9 - 展示会

・NSCカウンタ
出展社さんからのトラブルを受け付け、TTDBにチケットを書く。
会場内の道案内なども聞かれたりする。

・ShowNetウォーキングツアーのサポート
NOCメンバーがツアー参加者と一緒に歩きながら各POD、NOCラックを紹介していく。
参加者を誘導するために旗を持って、一緒にツアーに同行する。
一緒に話を聞いていて、ShowNetを理解するのに大変勉強になったし、来場者にわかりやすく説明するといった点でも勉強になった。ただ、2回ツアーに同行できたのだが、2回とも同じコースだったのがちょっと残念。

空き時間は展示を見て回ることもできる。あと、コンファレンスを1つ受講が可能というのがうれしい。
事前に希望を出していたものが受講できた。

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■ 撤収作業(6/9)

・NSCカウンタの撤収
カウンタ内にあったPC(チケット入力用端末)の箱詰め、IP電話、SWなどを撤収。
コントリビュータさんに提供していただいてた機器を取りに来られるので、ベンダさんを確認して返却対応。
機器を誤って渡して、紛失したりしないよう注意する。

このとき同時進行でPODの撤収もされていく。

・ドロップケーブルの回収
小間図とドロップケーブルの位置を確認しながら、ケーブルを回収。
上で巻き取られてしまって回収できないものもあるが、できる限り回収。
ファイバーとUTPを分けて回収する。
NSCカウンタにある樽ファイバはキャップをつけてエアキャップで巻いておく。
回収したケーブルは一部屋に集められ、まずは光のケーブルから巻き取り開始。

・ケーブル巻取り
大量の数のケーブルとの戦い。巻いても巻いても減らない・・・。
光のケーブルはキャップをして、袋に入れ、コネクタと長さ別に分けて収納。
来年も使うので丁寧に。

会場内のブースもあっという間に撤収され、ブースも壊し始められている。

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■ 最後に

私は去年初めてInteropを知り、そのときは出展社の展示ブースを見て回るだけで、ShowNetとか、STMのこともあまりよく理解できていませんでした。それからNWの仕事をし始めたので、今回参加するにあたり、私で大丈夫かなと不安もありましたが、ぜひ自分の目でShowNetという大規模なネットワークをどう構築するのか見てみたい、一緒につくりあげたいという気持ちが強かったので応募しました。
やはり、実際参加して、ShowNetの構築、運用に携わり、自分の目で見ることで、色々得るものがあったと思います。
Interopの裏側が色々見れて楽しかったです。やっぱり自分自身で体験しないとわからないことがたくさんあります。

また、技術以外にも、人との繋がりや、いろんな人と話を聞いたりするのはとても有意義でしたし、それぞれの考え方を知ることができてよかったです。ここで培った人とのつながりは本当に貴重なものだと思っており、今後も大事にしていきたいと思っています。
普段経験することがないこと経験、ほとんど初めての体験ばかりだったのですが、とても刺激になりました。そして、自分のこれからの課題も色々みえてきました。あまり積極的に動けなかった部分もあるので、その反省も含め、少しでも成長して来年またSTMとして参加したいと思います。

9日間、最初は長いかなと思っていましたが、あっという間でした。逆にもっと時間があれば色々話をしたり、ShowNetのことを知れたのではないのかなと思うくらいです。
STMメンバ、STMディスパッチャの皆さんには色々丁寧に教えていただき、大変感謝しております。
後、ディスパッチャさんにはSTMの生活面でもお世話になり、シフトなどの時間管理をしていただいたり色々ご苦労も多かったと思います。ありがとうございました。

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