開催概要
Event Profile
Interop Tokyo 実行委員会
実行委員長からのご挨拶
インターネット文明開化
インターネット黎明期の1994年に始まったInterop Tokyoは、日本のインターネットの発展と共に歩みを重ね、25回の開催を終えて新たな四半世紀に向けて歩み出します。Interopは、その名前の由来であります“Interoperability ”(相互接続性)をテーマに、最新の機器、技術、サービスが 一堂に会し、実稼動する様子が見えるだけではなく、それらが実際の利用者とどのように連携できるのかがわかるイベントとして、専門家から一般のユーザーまで広く、長く愛されてきた歴史があります。
世界のインターネット利用者は20年前は総人口の約6%程度でしたが2018年には55%にまで増えています。そして今後はさらに早いペースで普及が進み、インターネットの恩恵を世界中で受けることになります。これはまさに社会全体がインターネットを前提に動き、変化を遂げていくという「インターネット文明」が歴史上無いスケールで開花していくことを意味します。
インターネット文明はインターネットで世界がつながったサイバー空間にあり、現実空間と共存します。この文明の利器から多大なる利益を受ける一方で、今までに無かった問題も起こります。世界中の人々が容易にインターネットを利用できることになり、様々な活動がインターネット上で行われることが前提になると現実空間で今まで存在していたルールと矛盾が生じます。例えば仮想通貨や著作権などインターネットの空間では世界中で同じように動いているように見えていても国毎の法律では規制が違うことがあります。
「いつでも・どこでもつながるインターネットへ」という世界観は、Interopでは90年代からそのイメージを描きながら取り組んできました。これまではインターネットテクノロジーにおける”Interoperability”について、これまでつながっていなかったものがつながった時に想定される課題も含めて考えてきましたが、これからはさらに大きくなるインターネット空間を支える技術的な視点に加えて世界がつながっているという視点を今まで以上に意識する必要があります。
そして忘れてはならないのは、インターネット文明はヒトのために存在すべきものであるということです。ヒトの活動を支援し、新たな挑戦を支援することを可能にするために文明がもたらす利器をはじめルールなども進化しなければなりません。
私達はインターネット文明における新たな10年、20年先を見据えた「新しいインターネット」「新しいテクノロジー」「新しい市場」に関する議論を継続していく必要があります。この様な思いを込めて今年は「インターネット文明開化」をスローガンに開催します。
Interop Tokyoの場が参加者すべての新たな扉を開く場になることを楽しみにしています。
Interop Tokyo 実行委員長
慶應義塾大学環境情報学部 教授
村井 純
実行委員のご紹介
実行委員長
- 村井 純
- 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
実行委員
- 江崎 浩
- 東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授
- 鎌田 信夫
- 株式会社ソリトンシステムズ 代表取締役社長
- 河村 厚男
- 日本電気株式会社 執行役員常務
- 木部 俊明
- 日商エレクトロニクス株式会社 取締役 常務執行役員 サービズプロバイダ事業本部管掌 兼 エンタープライズ事業本部管掌 兼 地域事業本部管掌
- 河野 美也
- シスコシステムズ合同会社 Distinguished Systems Engineer
- 後藤 滋樹
- 早稲田大学 名誉教授
- 庄司 哲也
- エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長
- 須賀 高明
- 富士通株式会社 ネットワークサービス事業本部 本部長
- 高橋 誠
- KDDI株式会社 代表取締役社長
- 谷崎 勝教
- 株式会社三井住友銀行 取締役 専務執行役員
- 田丸 健三郎
- 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 ナショナルテクノロジーオフィサー
- 長崎 忠雄
- アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 代表取締役社長
- 中村 伊知哉
- 慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授
- 中村 修
- 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
- 夏野 剛
- 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授
- 藤原 洋
- 株式会社ナノオプト・メディア 代表取締役社長
- 古屋 知弘
- ジュニパーネットワークス株式会社 代表取締役社長
- 本間 康文
- 株式会社東京放送ホールディングス / 株式会社TBSテレビ メディア企画室 参与
- 前川 徹
- 東京通信大学 情報マネジメント学部 学部長 教授
- 松原 康範
- 株式会社日立製作所 理事 システム&サービスビジネス統括本部 CSO
- 吉澤 和弘
- 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 代表取締役社長
- 王 剣峰
- 華為技術日本株式会社 代表取締役社長
Interop Tokyo カンファレンス
プログラム委員会
プログラム委員会議長からのご挨拶
インターネット遺伝子の新たな覚醒!
Interop Tokyoが起動して25年の歳月が経ち、すべての産業セグメントがインターネットの存在を前提にした「デジタル・ファースト」に基づいた進化を経験しようとしています。遺伝子は利己的(=我がまま)で、自身の繁栄を目的として、遺伝子が宿る「生存機械」を次々と創生し、その存在領域を拡大させます。 生存機械が繰り広げる生存競争に勝つことができなかった遺伝子は、結果的に消滅(=絶滅)してしまいます。 一方、生存競争に競り勝った遺伝子は、多様な「生存機械」に遺伝子の適用領域を拡大して、生存領域を拡大します。 インターネットの遺伝子は、Interop Tokyoの10年目に考えた、インターネットがいろいろな産業分野に導入されていくという段階を、現実のものにしつつあるのではないでしょうか。 インターネットの遺伝子は、”the Internet”になるために、相互接続性に最大の重きをおいています。 すなわち、”interoperability”、すなわち、『Interop能力』が、最重要な遺伝子であり、閉じた(Closedな)システム構成が危険遺伝子であり対立遺伝子なのです。
これまでのインターネットは、世界中の「人」をデジタルメッセージで結ぶ the system でしたが、 いよいよ、世界中の「モノ」を結ぶ the system という新しい扉を開きつつあるのではないでしょうか。 物理空間とサイバー空間の融合は、現実の拡張、すなわちARやVRだけではなく、IoT、さらに、人工知能と共存することによる、 人類の能力の拡張へと向かいつつあるのでないでしょうか。
これまでのインターネットは、世界中の「ヒト」を結ぶ“the”system でしたが、IoT(Internet of Things)によって、いよいよ、世界中の「モノ」を結ぶ“the” systemという新しい覚醒をしようとしています。さらに、デジタル化、すなわち、ソフトウェア化は、すべてのシステムがルールとプログラムで定義・表記することを可能としつつあり、これまでのシステムとは、本質的に異なる、新しい覚醒を導こうとしているのではないでしょうか。
もう一つの、重要なインターネットの遺伝子は、「グローバル性」です。 インターネットは、国境を気にしません。世界で共通の技術を用いて、すべてのヒトとモノが、自由に、かつ自律的に、行動をすることを可能にしようとします。どのように、ヒトやモノが連携・協調あるいは競争するのか、その意思決定は各ヒト・各モノにゆだねられます。インターネットの遺伝子は、このようなグローバルに自由な意思決定と行動の実現を目指しています。Interop Tokyoも、常にこれまでの25年、そして、今後も、参加者の「自由」を尊重することになるでしょう。これによって、新しいイノベーションの「芽」が、Interop Tokyoから生まれ、育っていくのではないでしょうか。地球上のすべての「モノ」を相互接続するがゆえに、インターネットを前提としたビジネスや人々の活動は、国境を簡単にこえることになりました。 さらに、すべての 経済・社会活動が、インターネットを前提にすることになったので、政治的な介入も、インターネットの遺伝子にとって、非常に重要な課題となってきました。
「次のネット社会」は、すべての産業、すべての国、すべてのモノ、すべてのヒトが、つながる(Connected)社会です。 Interop Tokyo 2019に参加される皆様には、この機会を最大限に活用していただき、最先端のサイバーファーストなデジタルエコノミーを牽引する最新の技術・ビジネスの動向と現状を把握し、ますます加速するインターネット遺伝子による社会・産業革命を生き抜くに資する、発見と体験する機会としてご利用いただければ幸いでございます。
Interop Tokyo カンファレンス
プログラム委員会議長
東京大学大学院
情報理工学系研究科 教授
江崎 浩
Interop Tokyo カンファレンス
プログラム委員会
議長
- 江崎 浩
- 東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授
副議長
- 門林 雄基
- 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授
ファウンダー
- 高橋 徹
- 株式会社インターネット戦略研究所 代表取締役会長
アドバイザー
- 稲見 昌彦
- 東京大学 先端科学技術研究センター 教授
- 冲中 秀夫
- Techno-Visionary 代表 工学博士
- 近藤 邦昭
- 株式会社まほろば工房 代表取締役
- 砂原 秀樹
- 慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授
- 藤原 洋
- 株式会社ナノオプト・メディア 代表取締役社長
アドバイザー&エディター
- 本林 良太
- 日本電気株式会社 コーポレートマーケティング本部 マネージャー
プログラム委員
- 浅井 大史
- 株式会社Preferred Networks リサーチャー 博士(情報理工学)
- 石塚 宏紀
- KDDI株式会社 コンシューマ事業企画部/NPO法人 日本Androidの会 理事
- 伊勢 幸一
- さくらインターネット株式会社 取締役
- 伊東 寛
- ファイア・アイ株式会社 最高技術責任者 工学博士
- 大江 将史
- 大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台 情報セキュリティ室 次長
- 小野寺 好広
- シスコシステムズ合同会社 シニア・ソリューション・アーキテクト
- 川原 圭博
- 東京大学 工学系研究科 教授
- 斉藤 賢爾
- 慶應義塾大学SFC研究所上席所員
- 佐々木 弘志
- マカフィー株式会社 サイバー戦略室 シニアセキュリティアドバイザー CISSP
- 田中 邦裕
- さくらインターネット株式会社 代表取締役 社長
- 田丸 健三郎
- 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 ナショナルテクノロジーオフィサー
- 中川 郁夫
- 株式会社インテック フェロー/大阪大学 招へい准教授
- 中西 克彦
- NECネクサソリューションズ株式会社
- 平井 則輔
- ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット ネットワーク本部 国際サービス開発部/JANOG 会長
- 満永 拓邦
- 東京大学大学院情報学環 特任准教授
- 山下 達也
- NTTコミュニケーションズ株式会社 技術開発部長