実行委員長からのご挨拶
Think out of the box ~創造力と技術で生みだす未知なる社会~
IoT(Internet of Things)というキーワードが昨年から世界中で大きな脚光を浴びております。
「いつでも・どこでも・なんでもつながるインターネット」という世界観はInteropでは90年代からイメージしながら取り組んできました。かつては実現できなかったことが、技術の進歩とインターネットの普及が価格低下を後押しし、IoTの世界がいよいよ現実に向けて動き出しています。関連する製品やサービス開発もインターネットありきな環境を想定されていることが昨今顕著になってきています。私たちは、いつでも高速なインターネットにつながり、そしてなんでもつながることを前提に次のインターネットがあるべき姿を考えていく必要があります。
Interop Tokyoはインターネット黎明期と呼ばれた1994年から、常に最先端の情報通信関連の専門イベントとして開催されてきました。Interop の名前の由来通り“Interoperability ”(相互接続性)をテーマに、最新の機器、技術、サービスが一堂に介し、実稼動する様子が見えるだけではなく、それらが実際の利用者とどのように連携できるのかがわかるイベントとして専門家から一般のユーザーまで広く、長く愛されてきた歴史があり、日本のインターネットの発展と共に歩んできました。 いわゆる情報通信システムにおけるInteroperabilityは、一見確立したように見えているかもしれませんが、決してそうではなく、クラウド、ビッグデータ基盤、あるいは スマートフォンなど、新しいネットワーク基盤の登場は、更に重要なInteroperability問題を発生させています。
近年は、さらにこれまでインターネットにはつながっていなかった 新しい”モノ”が相互接続されなければなりませんし、今までつながっていなかったものがつながった時に想定される課題も考えていかなくてはなりません。
しかし、”モノ”がつながる インターネットでも、インターネットは、ヒトのために存在すべきです。 IoT社会では、技術的に実現出来ることだけでは無く、大量に収集されたデータをどのようにヒトのために使うのか?私たちの暮らしや仕事がどの様に良くなるのか?という視点が重要なポイントになります。つまりこれから大事になってくるのは、技術とアイデアをいかにマリアージュさせるか?ということにあります。私たちは、より自由な発想でインターネット前提社会に向き合って頂きたいという思いをこめて、今年は「Think out of the box ~創造力と技術で生みだす未知なる世界~をスローガンに開催いたします。
Interop Tokyoの場が「今」の挑戦への成果を披露することに加えて次の時代を見据えたビジョンを議論する場、体験できる場となり、そして参加者すべての新たな扉を開く場になることを楽しみにしています。
Interop Tokyo 実行委員長
慶應義塾大学 環境情報学部長・教授
村井 純