開催概要

プログラム委員会議長からのご挨拶

To the Next Connected World

2013年、安倍政権の登場とともに、IT戦略本部の再起動が行われ、再び、ITを用いた社会イノベーションと社会・産業の活性化を目指した政策・施策が進展しつつあります。まさに、To the Next Connected Worldへの挑戦です。 その大きな方向性は、(1)成長戦略、(2) グローバル展開、そして、(3) 持続的イノベーションの実現 にあります。また、2014年は、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けた仕込みの年にもなります。 世界最高品質のスマートシティー東京を、最先端のインターネット技術を駆使して実現しなければなりません。 世界最高の競技の様子を、最先端技術を用いて世界中で共有するばかりではなく、東京・日本を訪れた方々に対して、最先端技術を用いて、最高の「お・も・て・な・し」を実現しなければなりません。 日本のように、ブロードバンド・インターネット環境が整備された国は他にはなく、さらに、インターネット技術を駆使したスマートな社会インフラを持った国には他にはないわけですが、2020年に向かって、我々は、さらにこの 世界最高品質の社会インフラをアップグレードする機会を頂いたと考えるべきでしょう。

Interop Tokyoは、1994年にスタートし、インターネット関連産業のビジネスの最前線のショールームとしての役割を果たしてきました。Interop Tokyoがスタートした1990年代は、有線を用いたシステムであり、また、電話会社とメインフレームベンダーがサービスを提供する ベンダー・プロバイダ主導だったシステムを、ユーザ主導型に変革するイノベーションが進行した時期でした。その後、携帯電話の普及やWEBサービスの展開は、インターネットを、ユーザ主導からプロバイダ主導型へと変化させました。 この傾向は、2007年に、同時に登場した、スティーブジョブスが率いるアップル社が市場投入した i-Phone と、アマゾン社が市場投入した AWS(Amazon Web Service)を契機に激変を遂げました。 クラウド革命とスマートフォン革命です。 この2つの革命は、2000年代前半のプロバイダ主導型のインターネット市場を、再び、しかし、これまでとは異なった 「ユーザ主導」 へと変化させました。 1990年代後半に第1次データセンターブームが起こり、現在、第2次データセンターブームが起こっていることは、(モバイルガジェットを主役にした)ユーザ主導型のインターネットシステムのビジネス構造が進展しているということと、興味深い共通点を持っているように見えます。 「ユーザ主導」のビジネスモデルにおいては、プロバイダ側が考えるある意味「堅い」ビジネスではなく、多様でユニークなビジネスのアイデアが、市場で試され、成功し急成長を遂げる事例が多数出てきます。 IaaSクラウド基盤を用いたPaaSやSaaSの登場や、SDN(Software Defined Network)の登場は、これまでとは、まったく異なるインターネットインフラの出産過程を見ているように思えます。

SDNやNFVに代表される、コンピュータ、ネットワーク、さらに機能の仮想化を前提とした、クラウドコンピューティングの進化と深化、スマートフォンやIoTデバイスに代表されるモバイル端末の真の意味でのインターネット化は、サービス提供に必要なハードウェアの制約を劇的に削減することに成功し、既に、スマートフォンとサーバのハードウェアに依存しない 仮想的なハードウェアを自由に変化させることを可能にしつつあります。 これは、BYOD(Bring Your Own Device)の進展にも象徴されています。 これは、ちょうど、UNIX と マイクロソフトWindows が、ハードウェアに依存しない OS として、登場したことによって、それまでの、ベンダー・プロバイダ型の市場が、ユーザ主導の市場へと変化したことと同じ現象ととらえることができます。その結果、急激に、一般ユーザの コミュニケーションの形態が、マルチスクリーン化とユニファイドコミュニケーション化しています。

さて、ベンダー・プロバイダ型のビジネス構造がユーザ主導型のビジネス構造への変革と物理的守備範囲の拡大は、インターネット産業だけではなく、エネルギー産業をはじめとするすべての産業セグメントで起こりつつあります。 このトリガーとなったのは、「グリーンICT とビッグデータ」であり、これを、支え加速させているのが、「第2次データセンターブーム」ととらえることができます。データセンターに格納された大量のデータが、最先端の解析技術を用いて新しい価値を生み出す 「ビッグデータビジネス」の登場です。

インターネットが、2回目のユーザ主導型市場を形成しつつあり、そのビジネス領域は、これまでの人と人とを結ぶインターネットから、電力システムや工場など、クリティカルシステムを含む すべての社会基盤に存在する「モノ」を相互接続するものへと変化しつつあります。 その結果、これまで以上に、頑丈なセキュリティー機能を持ったシステムの構築が必須となることも、認識され、我が国の最重要課題の一つとされることになりました。

Interop Tokyoに参加される皆様には、この機会を最大限に活用していただき、最先端のICT技術の動向と現状を把握し、次のインターネット革命を生き抜くに資する、叡智を発見・体験する契機としてご利用いただければ幸いでございます。

Interop Tokyo 2014 プログラム委員会議長
東京大学大学院
情報理工学系研究科 教授
江崎 浩

開催概要

会期 2014年6月9日(月)- 10日(火)
会場 AP品川
住所 〒108-0074 東京都港区高輪3-25-23 京急第2ビル 10F
アクセス http://www.ap-shinagawa.com/info/access.html
東海道新幹線・JR東海道線・JR山手線・JR京浜東北線・JR横須賀線・京浜急行線「品川」駅徒歩約3分
※羽田空港からは京浜急行快特で品川駅まで16分
お問い合わせ カンファレンス事務局
TEL:03-6431-7802 FAX:03-6431-7850
june-conf@f2ff.jp
受付時間:10:00~18:00
予定来場者数 約140,000人(同時開催イベント含む)

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