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Interop直前企画スペシャル対談実現!グリーンITを斬る

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IMC TOKYO2008



デイリーレポート

熱くて暑い、Interop Tokyo 2008最終日!

最終日の6月13日は晴天となり、駅から会場までの道は来場者が絶え間なく行き交う姿がみられた。「覚醒するインターネット」をキーワードにしたInterop Tokyo 2008も今日で最終日。3日目のレポートでは2本の基調講演の内容を中心にお伝えする。

基調講演レポート5「通信の新たな時代に向けて~最新グローバルソリューション」

最終日の1本目の基調講演はVerizon Businessの戦略および財務担当バイスプレジデント ジョン・ドハティ氏だ。ドハティ氏は「ネットワークはビジネス、コンシューマの両方のライフラインになっている」と前置きした上で、これからの通信ビジネスの拡大に向けたイノベーションが必要であると語った。同社はすでに米国においてNGNを推進しており、その中で電話、インターネット、動画、モバイルといった分野でビジネスを展開している。

中国で開催されるオリンピックに向け、6万2000万同時通話が可能な海底ケーブルを米国・中国間に敷設するなど、グローバルなネットワーク構築に力を注いでいる。特に重要だと考えている点は、高速なダウンロードだけでなく高速にアップロードできる環境づくりと、新しいアプリケーションの提供だという。実際に環境を整えるためには、様々な企業とのコラボレーションが重要だとドハティ氏は語る。今後はさらに高速なネットワーク環境を手に入れることで、遠隔医療をはじめとして活用の幅は広がっていくだろうと締めくくった。


Verizon Businessの戦略および財務担当バイスプレジデント ジョン・ドハティ氏

基調講演レポート6「地球環境問題の解決に向けたグリーンITと日本の情報政策」

Interop Tokyo 2008を締めくくる、クロージング・キーノートは今回のテーマの1つ「グリーンIT」にふさわしい、経済産業省 商務情報政策局長 岡田 秀一氏によって行われた。これまでITの分野は「鉄鋼やセメント、発電などに比べてCO2排出量が少ないのではないか」と考えられてきたという。しかし大規模化するデータセンタの電力消費や熱排出量などの問題が顕在化してきたのは周知のとおり。洞爺湖サミットをひかえた今この時期だからこそ、グリーンITに注目が集まっているという。ちなみに「グリーンIT」というキーワードは福田首相が世界ではじめて公の場で首相として発言したとのことだ。

現在海外で各企業がグリーンITに動いており、「日本も進めなくては」という声は大きい。しかし海外の企業がこれから手がけようとしている様々な方策は、実は日本ではすでに行われているものが多いのだと岡田氏は語る。日本は自分たちがやっていることを発信していないというのだ。今、日本が地球温暖化への対策として研究開発でリードできるポイントとして21分野があげられるという。その中で7つがグリーンITに関連しており、これらを海外との協力によって広めていくことこそが重要であると岡田氏は締めくくった。


クロージング・キーノートを勤める経済産業省 商務情報政策局長 岡田 秀一氏

テーマごとに企業が集結「Security@Interop」「VENTURE PAVILION」「PREMIUM KOREA」

「Security@Interop」はセキュリティに特化した製品があつまったパビリオンだ。まさにピンポイントなセキュリティ製品が集められたこのパビリオンでは、ビジネス上の課題を持った来場者が出展者に質問をぶつけている姿が多く見られた。またステージで行われるプレゼンテーションにも、より具体的な解決策を求める来場者が詰め掛けた。

「VENTURE PAVILION」は時代のサイクルによってその姿が大きく変化する。イーサネットが標準となった現在のネットワーク環境化では、その上で動作する製品が集中したようだ。「まだ何に使えるか分からないテクノロジー」よりも「あるものをどう使うのか」という部分に集中し、「まさに次はこれがくる」という製品群が見られたのが今回の「VENTURE PAVILION」だといえるだろう。

アジアの中でも有数のブロードバンド大国の1つ韓国の企業が集まったのが「PREMIUM KOREA」だ。上場企業からベンチャーまで幅広いベンダーが参加しており、実際に韓国で利用されている最先端のプロダクトを見ることができた。


セキュリティ対策に余念のない来場者が集った「Security@Interop」


新しい時代を牽引するだろうプロダクトがそろった「VENTURE PAVILION」


「PREMIUM KOREA」では様々な韓国ベンダーの製品が並び、来場者の注目を受けていた

実験から実用段階へ完全に移行したことを感じさせるIMCのセッション群

IMC Tokyo 2008はInteropから独立したイベントとして今回で3回目を迎える。第1回、第2回では「実験色」の強い展示が多く見られたが、今年はすでに実用段階へとシフトして大きく姿を変えた印象がある。例えばフルHDの伝送などはすでに当たり前になり、時代はより高画質な4Kへと移行しはじめている。1日目に引き続いて行われたRED Digital Cinemaによるセッションは、その1つの例だろう。同社の革新的指導者 Ted Schilowitz氏とApple Computer, Pro Video MarketのEric Hamilton氏によるセッションでは、すでに4Kによる映像製作が普通に行えるものであることを明確に伝えていた。

さらに携帯電話を使った動画配信を広告へ活用するという、実用ベースのセッションも人気を集めていた。株式会社NextNinja 代表取締役 山岸 聖幸氏によって行われた「奥義伝授『ケータイ動画とモバイルソリューション』」では、クロスメディアマーケティング戦略の最新手法としてモバイル動画広告の最新事例が紹介された。単に「動画を配信できればよい」というものではなく、いかに利用者にストレスなく必要な情報へアクセスさせられるか、といった部分にまで踏み込んだビジネス展開こそが求められることが実感できるセッションであった。

さらにWeb広告という点では、株式会社アクティブコア 取締役 セールス&マーケティング本部 部長の羽柴 秀彦氏による「『行動ターゲティング』で変わる新たなウェブサイト戦略」に多くの来場者が詰め掛けた。従来のマーケティング手法では正しくユーザの行動を汲み取ることができず、購買につながるチャンスを逃していたと羽柴氏は語る。Webサイトの訪問者は購入までに何回かの訪問を繰り返しており、その行動とユーザ特性を紐付けることで新たな広告活用が行えるようになるという。


撮影したばかりの4K動画を来場者の目の前で編集・再生したデモンストレーション


株式会社NextNinja 代表取締役 山岸 聖幸氏


株式会社アクティブコア 取締役 セールス&マーケティング本部 部長の羽柴 秀彦氏

魅せる「ShowNet」 その注目度はうなぎのぼり!?

NOCブースが会場内に移動したこともあってか、例年の数倍にはなろうかというほど来場者の注目を集めた「ShowNet」。ShowNetウォーキングツアーには抽選を待ついつも以上の列ができ、さらにAll About ShowNetの書き込みを見つめる人数も非常に多かった。NOCチームとの架け橋「Q&Aボード」も刻々と質問と答えが書き込まれ、会話状態になっているものまで見られた。

さらにNOCブース裏で行われた「ミニハンズオンセッション」も、来場者の興味を誘ったようだ。「ShowNetで使っているケーブルを作る」と「ケーブルをきれいに束ねる」という「地味」なテーマにもかかわらず、積極的に参加する人はもちろん、周りを取り囲んでその様子を見る人も多かったのが印象的だ。ハンズオンセッションも非常にテクニカルなテーマに挑んでいるにもかかわらず非常に多くの参加者があった。ぜひ今後もこのようなセッションが行われ、かつもっと多くの人が参加できるようにしてもらいたい。


NOCブース裏手に設置されたQ&Aボード。Webカメラが設置されており、何かが書き込まれるとNOCメンバーが答えを書きに出てくる


ミニハンズオンセッションの「ケーブルコスメしてみよう!」の1コマ。

今年は「3年後のリアリティ」。では来年は?

本日でInterop Tokyo 2008は閉幕した。延べ149,760人の来場者がつめかけ、3年後のインターネットの世界を体感していった。グリーンITやエンタープライズ 2.0はこれからどうなっていくのか。IPv4の枯渇問題やIPv6への移行はどのように現実社会に押し寄せてくるのだろうか。それはInterop Tokyo 2008に来場した人がそれぞれ「自分の課題」として、これからのインターネットに注目しながら答えを見つけ、さらに「その次にくるものは何か」を考えていただきたい。答え合わせはぜひ来年のInterop Tokyo 2009で!


たくさんの来場者が詰め掛けたInterop Tokyo 2008の展示会場。Interop Tokyo 2009ではどのような技術がこの会場を埋め尽くすのか。

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