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2008年の模様

「将来性」「次世代」がInterop Tokyo 2008のキーワード!

昨年と同様、2日目となる6月12日はあいにくの雨模様。しかし1日目にも増して多くの来場者がInterop Tokyo 2008の展示会場とエデュケーショナル・コンファレンスに詰め掛けた。本日のDaily Reportでは今年の注目プロダクトを決める「Best of Show Award 2008」、2本の基調講演、そして満員御礼のケーススタディ・セッションを中心にお伝えする。

「今年の一品」 Best of Show Award決定!

Interop Tokyo 2008には昨年よりも多い計351社の出展企業が参加している。それぞれの企業が最新・最先端の製品やソリューションを展示しているが、その中からその年の「ベスト」を決定するのが「Best of Show Award 2008」だ。

このアワードでは各審査員が、会場内に展示しているノミネート製品・ソリューション、プレゼンテーションを実際に見て回り、グランプリと特別賞を決定するものだ。プロダクト/ソリューション/ベンチャーの各部門から、製品分野ごとに選出される。さらにShowNetで使われた機器から選出される「Best of ShowNetプロダクト」やShowNetを使ったデモンストレーションを評価する「Best of ShowNetデモンストレーション」などの賞も用意されているほか、今年からはInterop Tokyo 2008のテーマに合致するプロダクトを選出する「グリーンIT」と「エコロジー」部門も新設された。

6月11日の夜遅くまで審査員の熱いバトルによって決定した受賞プロダクトが、展示会2日目の本日、エントランスホールにて発表された。詳しい受賞製品についてはオフィシャルサイト上で発表されているので、そちらを参考にしてほしい。

発表に先立って審査委員長である株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長 最高経営責任者の藤原 洋氏が本年の選考に対して講評を行った。これまでと同様にプロダクトの機能や完成度も重視しているが、さらに「将来性」「期待度」といったものも基準に盛り込んだとのこと。それを反映してか各賞の選考理由についても「さらなる発展を期待する」といったコメントが多く聞かれた。


発表を待つBest of Show Awardの審査員の方々


今回新設されたエコロジー部門のグランプリ受賞者と記念撮影を行う
藤原 洋 審査委員長

基調講演レポート3「変革の時代を支えるICTプラットフォーム」

2日目の最初の基調講演は株式会社NTTデータ 代表取締役社長の山下 徹氏による、「変革の時代を支えるICTプラットフォーム」だ。講演の中で山下氏はITにおける着目点が、米国では技術革新が第1の目標になっていることに対して日本では現状コストを重視していると述べた。IT業界の推移を見た場合に米国に数年遅れて日本も同じ意識を持つと考えられ、今後コスト重視から技術革新にシフトしていくとデータを基に分析する。

その上でITおよびICT部門の課題として「状況変化のスピードが早まってきている」とのこと。この要求に応えるには「短期開発」や「柔軟性」こそが求められていると強調し、「次世代ICTプラットフォーム」と、個別機能をサービスの組み合わせにより実現する「サービスインテグレーション」の2つの考え方が必要だという。同社の取り組みを交えながら、要素技術としてNGNや仮想化を取り入れた「次世代データセンタ」や「SOA」の重要性について解説した。


株式会社NTTデータ
代表取締役社長の山下 徹氏

基調講演レポート4「よりビジネスに貢献できるITインフラへのロードマップとは」

2本目の基調講演は、IBMコーポレーション アドバンスト・クライアント・テクニカル・センター担当 バイス・プレジデントのデビッド・ジェラルディ氏による「よりビジネスに貢献できるITインフラへのロードマップとは」だ。この講演の中でジェラルディ氏は、同社が2008年2月に発表した「次世代エンタープライズ・データセンター(以下、NEDC)」の考え方について紹介した。NEDCでは、仮想化/統合化/自動化、さらにグリーンITなどへの取り組みを通じ、ビジネスに貢献可能なITインフラを構築するためのロードマップを示している。

全てのビジネスがIT、ネットワークに依存している現状では、アプリケーションとサーバ、ストレージ、ネットワークは密接に関係しあっており、それらを通じてエンタープライズに対する考え方が変わってきているという。「明日すぐにNEDCに切り替わるわけではない」と前置きした上で、今後はビジネスシステムの簡素化、共有化のレベルの向上、そして大規模な導入といった段階を経て変革が行われていくという。このNEDCへの取り組みについて、同社のパートナーの事例を挙げながら解説した。


IBMコーポレーション アドバンスト・クライアント・テクニカル・センター担当 バイス・プレジデントのデビッド・ジェラルディ氏

満員御礼 Case Study「ネットワーク監視から見えてくる最新の脅威」

Interop Tokyo 2008は現場バリバリの技術者のためのイベントというイメージを持たれる方も多いはず。セッションなどでも高度かつ最新の技術を取り上げたものが多く、なかなか敷居が高いと思われているのではないだろうか。今年から登場した「Case Study(事例セッション)」は、今まさに「課題を抱えている人」をはじめとしたエンドユーザ向けのセッションだ。本日行われたセッションはすべて事前登録で満席となっており、その人気と要望の高さがうかがえる。

ここでは本日行われたセッションの中から「ネットワーク監視から見えてくる最新の脅威」について紹介しよう。京都大学 准教授の高倉 弘喜氏によるこのセッションでは、同大学で行われているIDSなどを使ったネットワーク監視の現状についてレポートが行われた。ネットワークの防御を考えた場合にまず企業が考えるのはIDSを導入して攻撃を検知・防御するというものだ。しかし実際に検証する中で、新製品が発売されるとすぐに攻撃側が購入・研究を開始し、一般的なユーザが導入を決定するころにはすでに攻撃手法が確立されてしまうのだと高倉氏は語る。さらに定義ファイルのアップデートがあった3時間後には、脆弱性の情報も同時に公表されてしまうため、大量の攻撃もまた開始されるのだという。これは定義ファイルのアップデートによってある程度防御することができるが、「攻撃手法が発見された=セキュリティベンダーが定義ファイルの作成をはじめた」段階では防ぎきることは難しい。京都大学では実際にBotを「飼う」ことで、そのBotがどのような挙動を示すのかを監視し、より早い段階で攻撃を防ぐ手段にしているという。

現在は国外で攻撃手法が開発されていることもあり、日本の文化に合わない挙動はある程度見つけやすいレベルにあるという。しかし今後は日本に合わせた攻撃手法が生まれる可能性もあり、オペレーションから組織レベルまでを見据えたセキュリティ対策について考えていく必要があると締めくくった。


京都大学 准教授の高倉 弘喜氏

Interopの疑問にプログラム委員会が答えます「教えてInterop.jp」

本年のInterop Tokyo 2008のはじめての取り組みはまだまだある。その1つが「Interop Tokyo 2008/アジア・プログラム委員会」のメンバーが参加者からの質問に直接答える「教えて.interop.jp~なんでもQ&Aセッション~」だ。議長の東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授の江崎 浩氏をはじめ、名誉委員の株式会社インターネット戦略研究所 代表取締役会長 高橋 徹氏、プログラム委員の日本電気株式会社 経営企画部 マネージャーの本林 良太氏、株式会社インターネットイニシアティブ 特別研究員の歌代 和正氏、日本アイビーエム株式会社 ハイバリュー・ソリューション・センター デザイン・センター 担当 ICPシニアITアーキテクト システムズ&テクノロジー・エバンジェリストの濱田 正彦氏の5名がディスカッション形式で登場した。

事前にオフィシャルサイトから質問を受け付けており「WiMAXの今後の展望」や「携帯電話や小型PCの将来は?」「ユビキタス社会というのは具体的にどういうものなのか」「NGN導入でなにが変わっていくのでしょう」「Interopを通してビジネスに役だった経験談は?」など、様々なテーマが取り上げられた。さらに実際に会場に訪れた参加者からの生の質問にもその場で答えるというライブ感溢れるイベントで、本当に「ここでは書けない」ような具体的な企業の事例にまで踏み込んだ内容が語られた。



司会を務めたのは本林 良太氏(左)。どんどん質問に答えていく江崎 浩氏(右)


左から、プログラム委員会名誉委員の高橋 徹氏、プログラム委員の歌代 和正氏、濱田 正彦氏

今年のInteropの2大テーマ「ENTERPRISE 2.0パビリオン」&「Green IT@Interop」

今年、IT業界で特に注目されているテーマとなっているのが「エンタープライズ2.0」と「グリーンIT」だ。これらのテーマは非常に幅広い内容が含まれており、これから知りたいという人にとっては「何から見ていけばよいか分からない」と感じるはずだ。Interop Tokyo 2008でも「ENTERPRISE 2.0パビリオン」と「Green IT@Interop」という2つの展示企画を用意して、その疑問に答えている。

「ENTERPRISE 2.0パビリオン」では、エンタープライズ2.0とはどういうものなのか、様々なプロダクト・ソリューションの中から分かりやすく特徴的な例を集めて展示している。まずこのパビリオンでイメージをつかんで各社の展示ブースに向かうことで、より詳しくエンタープライズ2.0を知ることができるだろう。そして「Green IT@Interop」では、展示会場の中にある様々なグリーンIT関連プロダクトが最終的にどこを目指すのかを、東京大学のプロジェクトを例に知ることができる。両ブースでは同時に「クラスルーム」と題して様々な関連セッションを行っており、さらに詳しく知りたいという来場者が積極的に参加する姿が見られた。


エンタープライズ2.0のエッセンスを感じられる「ENTERPRISE 2.0パビリオン」


グリーンITの行く先を具体的にイメージできる「Green IT@Interop」

今年の「All About ShowNet」は実機の横に手書きのパネルが!

昨年、ShowNetで使用した機器の実物大パネルにNOCチーム総出で寄せ書き風にしたためられた展示が際立った「All About ShowNet」。今年はNOCがホール内に移動したことで、実機の横にパネルが用意された。今年もパネルはNOCチームによる手書きもので、各自が感じた忌憚のない意見が書き込まれている。さらに質問ボードも備え付けられており、来場者が自由に質問を書き込んで、しばらく待つとNOCチームから返答が書き込まれるという次第だ。

さらに面白い展示として、微弱なワンセグ放送を使った紹介ビデオ配信「ワンセグ配信デモプロジェクト」も行われている。これは非常に限定されたエリア(半径1m程度)で、ワンセグ対応携帯電話などで直接デモビデオを受信できるというものだ。ただし本当に狭い範囲でしか見られないため、ワンセグ対応携帯電話を持っているユーザが列を成して順番待ちをする、といった姿もみられた。ぜひ早期来場して、すいている時間帯に試してもらいたい。


NOCブースの周りに設置されたラックの横には、それぞれの機器にNOCチームによる手書きの解説文が掲示されている。


ワンセグ対応携帯電話を持っている人は、ぜひ「ワンセグ配信デモプロジェクト」でデモビデオを見てみよう!

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