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ShowNetを語る

これからのデータセンターのエネルギーマネジメント

NOC 関谷さん:
去年ぐらいから日本において「データセンターにおけるエネルギー関連のマネジメントをキチンとやらなければならない」というリクアイアメントが非常に高くなってきています。
一方で、データセンターと電源効率は、ここ数年、世界的に大きな話題です。
それに付随して、データセンターのエネルギーマネジメントをどれだけ効率化しつつ快適に管理できるかが突き詰められてきていると思います。
同時に、削れるところは削ってコストを下げて行くという部分も注目されていますが、今年のShowNetでは、その部分をしっかりと多くの部分を見せられると思います。
今日お集り頂いた皆様には、これからデータセンターエネルギーマネジメントの現状とこれからに関してお話頂ければと思います。
シュナイダーエレクトリックさん:
弊社としては、ShowNetの中でラックをはじめとして、UPS、監視機能付きのコンセントといったものをご提供させて頂いています。
その他に、環境監視ということでデータセンターの温度や湿度など、様々なセンサー類からの情報をIPに取り込んで管理できるハードウェア装置をご提供しようと思っております。
そういった機器やIPベースの監視カメラを弊社のソリューションに対して集約してモニタリングできる環境だけではなく、他社様の様々な機器のモニタリングも可能な環境も提供してまいります。
また、電源や空調などのシュミレーションを行い、分析によって効率的なデータセンターを実現するソリューションもご紹介していきます。
ラリタン・ジャパンさん:
弊社はもともとKVMスイッチのパイオニアというところから会社がはじまっています。
そういった観点から、弊社はリモートからどんどん監視出来る範囲を拡大していこうということで、インテリジェントPDUで、各コンセントごとや各ユニットごとの電流、電圧、消費電力といったものをリアルタイムに計測できるソリューションを販売しています。
さらに、オプションとして温度湿度センサーもありますし、空気の流れや二箇所での気圧差、ドアの開け閉めといった接触を検知するセンサーもこのたびリリース致しました。
弊社ソリューションは計測したデータを分析したり、それらをアラートとしてあげるたり、それらをトリガーにして指定した箇所の電源のON/OFFの制御ができますが、今後は、そこから発展させていって、アセットの管理や、電源やネットワークのケーブルがどのように繋がっているかなどをシームレスに管理できるようなマネジメントデバイスを来年リリース予定です。
ATENジャパンさん:
シュナイダーさんとラリタンさんと似ていますが、弊社もKVMスイッチメーカーでサーバを遠隔操作する製品を有していますので、電源の分野に着手した時もリモートコントロール機能を強く意識していました。
そして電源供給するからには電流を測ろうということになり、測定単位もPDU単位からコンセントごとにしたいというニーズで発展してきました。
その後も製品が進化する中、センサーで温度や湿度を単に「見える化」するだけではなく、それを分析するソフトウェアの開発へとつながった訳です。
我々のソフトウェアは「こういうことをするとこれだけのエネルギー消費を削減できますよ」という指標を出せますが、弊社ではそのジャンルを「eco PDU」と呼んでいます。
ハードウェアに関しては各国で電力状況や規格が異なるため、ハードウェア設計をモジュール化してパーツを組み替えることで特定の国に適合したモデルを簡単に開発できるような下地を作っているところです。

アイエスエイさん:
弊社、本日の座談会で唯一の国産メーカーです。
弊社は昔からSNMPとファシリティに関わる電源スイッチであるとか、パワーコントロール、シャットダウンに取り組んでおり、設備とITの分野の境に生きてきている中小企業でございます。
日本でSNMPのパワーマネージメント用MIBがJEITAで定義されていますが、そのもととなる提案を行ったのがここに居る柳原です。
我々がお客様とお話をさせて頂いて課題と感じるのが、既にある設備に電流系などを入れられるかや、既存のサーバなどとどうやってマッチングをとっていくか、運用と電気を落として良いという部分をどう設計するかという部分です。
私どもは、パワーマネージメントは「測る、知らせる、対応する」であると考えており、測った結果を知らせたうえで判断の元に対応していくという製品群をご紹介させて頂いております。
フルーク・ネットワークスさん:
我々の製品はケーブルが正しく施工できているのかを測定するツールを作っております。
データセンターを最初に構築するときはケーブルテスタは必要ですが、一度構築してしまうと、中々中には入れないような状況が多くなります。
再構築の際にはまたケーブルテストが必要になるわけですが、テストをいかに早く効率良くやるかということで、誰でも使える簡単なテスタを提供するということを行っています。
センサーなどもケーブルが必要ですし、それらが正しく動作するようにチェックすることは重要です。
NOC 伊藤さん:
昨年は3.11直後ということで、節電が試行される前のタイミングだったわけですが、昨年実際に夏を越えてこれから今年の夏を迎えようとしているわけですが、思ってもみなかったほど監視系ソリューションのコントリビューションが頂けており、ありがたいと思う反面、担当NOCとしては多少プレッシャーでもあります。
データセンターを実際に運用されている方で、そこら辺の厳しさを教えて下さい。
NOC 奥澤さん:
弊社はデータセンターを借りているのですが、昨年は弊社が借りているデータセンターは規制対象外だったので規制の影響は受けませんでした。
しかし、弊社が行っているポータルサービスなどでサーバを落とすなどの節電に取り組みました。
そのとき、意外に無駄に動いているハードウェアが多かったという印象を持ちました。
やっぱり今年も全体的に節電が求められていますが、データセンターを構築するときにエネルギーマネージメントツールを入れてあれば良いのですが、様々なベンダーさんのモジュールが入っていて継ぎ接ぎだらけの状態では運用がまわらずに逆に非効率になる場合もありそうな気はしています。
また、実際に動いているデータセンターに導入するということになると思うのですが、なるべく落とさずに導入することは可能ですか?
アイエスエイさん:
大半は、その質問ですね。 既存はどうなっているのかがまずあって、次に新規の場合はこうしましょうとなることが多いです。
多くの場合は、大元の分電盤で測って行って、次にデータセンターのブロック単位で見て行くという感じで、大きな部分を見てから怪しい部分を小分けにしていくという方法になります。
電圧が場所によって変動があることもあるので、電圧を固定としつつ電流だけ測って大まかな数値を出すこともあるので、実際の電力量という意味では怪しくなる場合もあります。
既存にある運用監視装置はこれ以上増やしたくなく、運用の手間も増やしたくないというところで、ログデータをエクセルで分析するという場合もあります。
もう一つ大事なのは、誰かがこっそり装置を増やしたり切ったときの電流変化のアラートをどうするのかが今後はキーワードになっていくと思います。
NOC 宇多さん:
エネルギーマネージメントは今年旬で様々な方々が大々的に取り組まれています。
しかし、こういったものは10年以上前から取り組みが行われ続けています。
ただ、こういったものは新たに全体に付けるというよりは、足して行くという整備が多いと思うんですよ。
そうなると、他社製品を含めて色々な製品をどうやって集中管理をするのかが大事になりそうです。
そういった相互接続性をShowNetで試したりというのも将来的にあると面白いと思います。
NOC 伊藤さん:
年々、このジャンルは仕込みに苦労するのですが、今年もコントリビュートして頂ける製品を活用して色々なことに挑戦して行きたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

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