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Interop直前企画スペシャル対談実現!グリーンITを斬る

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産・官・学が共同で進める
「グリーンIT」の現在と未来

社会的にも注目を集めるキーワード「グリーンIT」。Interop Tokyo 2008でも、重要なテーマの1つとして、展示会、コンファレンスともに大きくフィーチャーしています。グリーンITの現状認識と未来への展望について、Interop Tokyoプログラム委員会議長の江崎 浩氏とグリーンITを積極的に推進する日本ベンダーの1つである(株)日立製作所 理事 情報・通信グループ グローバル事業統括の竹村 哲夫氏に対談いただきました。

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インタビュー:神保暢雄
写真:池田啓輔(J-CAST)
編集:J-CAST

グリーンITを評価するモニタリング

竹村氏 ワークスタイルの変革といったことを評価するためには、使用前・使用後でどの程度状況が変わったのかを正確に判断する必要がありますが、その判断のためには何らかの方法でモニタリングすることが求められます。しかし現状では、エネルギーと情報の大きなロスが起こっていると考えられます。

たとえば、あらゆる場所に設置されている監視カメラ。しかしセキュリティとプライバシーの関係があるため、それぞれのカメラから得られる情報は分断されています。同様のことがセンサネットワークにもいえる可能性があり、違う立場の人が同じ目的でデータを集めるために、並列にものすごい数のセンサを設置し、そこで無駄なエネルギーを消費してしまっているのではないか、ということです。

今後求められるのは、センスしたものをいかに上手に共有し、様々な用途に使いまわせるかという視点かもしれません。そのためには技術だけじゃなく、制度やモラルといった問題のほうが重要なファクターになってくると言えるでしょうね。

江崎氏 まったく同じ考えを持っています。私はもともと省エネルギーではなく、IPv6活用の1つの形態としてセンサネットワークについて研究を行っていました。結果的に省エネルギー対策につながっているわけですが、やはり取得したセンサ情報を共有し、活用する部分に障害があり、この解決が重要であると考えるようになってきました。

これからは「環境」という旗の下で、我々はセンサの情報を共有できるようなインフラの構築を進めていこうと考えています。しかしやはり難しい問題もあるのです。例えば、先ほどの2号館のプロジェクトではすべての部屋の電力使用量をモニタリングする予定ですが、ここで得られるデータはこれまでどこにも無かったものなわけです。元々エコのために取得した情報が、部屋や個人の電力使用量を分析することで、果ては人事査定の基礎データとして利用される可能性すらあります。

このようなデータの取得は、企業では比較的やりやすいものです。しかし大学の先生方が実験に付き合ってくれるかは大きな問題であり、チャレンジでしょう。もしプライバシーの問題を解決できれば、今後は家庭にも導入できるかもしれません。実は省エネルギー対策で、本当に手がついていないのは家庭と中小企業、そして公共施設ですから。

グリーンITを目指して収集したデータはまさに情報の塊であり、それをどう流通するかについて議論は必要でしょう。しかしそれを上手に利用することで、今まで考えてもいなかったアプリケーションやビジネスが誕生する可能性も秘めていると考えています。

Interop Tokyo 2008で見られる「グリーンIT」とは

竹村氏 Interopで当社が目玉の1つとしているのが、CoolCenter50という、データセンターの消費電力を半分にしていくというプロジェクトの紹介です。データセンターでは、IT機器だけではなくて空調やUPSなど様々な機器が存在します。これまではIT機器以外の部分ではグリーンITとして言及してきませんでした。ある意味ではデータセンターに置かれた各機器が疎結合していた状況だと言えるでしょう。

しかしこれからは密結合した状況を作って行く必要があります。CoolCenter50はIT機器と様々な設備をトータルで捉えて、フィードバックをかけながら最適化していくプロジェクトです。この計画から目標、そして先ほどお話したワークスタイルの変革についてもご紹介したいと考えています。

江崎氏 まだデータは一部しかありませんが、東大工学部2号館での取り組みに関するコンソーシアムの形成からミッション、ビジョンまでを、グリーンIT@Interopのコーナーで展示します。2号館ごと実際に展示したいところですが、それは難しいですね(笑)。

またグリーンITに関するコンファレンスセッションでも、竹村氏にも参加していただく予定です。今日よりも更に具体的な数値を基にしたお話をいただけると思います。さらに、最終日には通産省の岡田局長においでいただいて、グリーンITとSaaSの関連についてお話いただきます。

社会的なキーワードとしてグリーンITが登場し、コンセンサスが取れつつあるというのが今の状況だといえるでしょう。そういう意味で、今回のInterop Tokyo 2008では「グリーンITとは何なのか」「どの方向に向いて行くのか」といったことが、コンファレンスやパビリオンで見せられるのではないかと思います。

ぜひInterop Tokyo 2008に参加して、グリーンITの「今」について情報収集し、ビジネスに役立てていっていただきたいと考えています。

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