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ShowNetを語る

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インターネットインフラを支えるファシリティ

ファシリティはネットワークインフラを支える土台として、ラックやケーブル、計測センサーなど幅広い分野が含まれている。しかし一方で「インターネット」と言った場合にはその上のレイヤーについて語られるケースが多いのも事実だ。そこでこの座談会ではNOCメンバーから伊藤氏、菅野氏、奥澤氏の三名、そしてコントリビュータから武末氏、矢島氏、小倉氏、林氏の四名を招き、今回起こった震災を軸にファシリティの未来像について語ってもらった。

伊藤氏:

昨今、IPv4の枯渇やIPv6への移行の必要性が騒がれ出しています。IPv4の枯渇に関しては様々な意見がありますが、数字的に見ても否定しがたい事実でしょう。もちろんIPv6は注目のキーワードになっており、非常に端的なのはInterop運営事務局ナノオプトメディアにもIPv6の飛び込み営業があったということがそれを表していますね。そこで今回の座談会では、レイヤー1から7までの皆さんに揃っていただいて、まず現状ユーザからの反応という部分でお話をいただければと思います。
菅野氏:
まず、日本はやっぱり地震国であると改めて皆が痛感した点が大きいでしょう。例えばデータセンタでは当たり前にやっていることではありますが、企業も「自社のマシンルーム」というレベルでディザスタを考慮したファシリティにしなければいけませんね。
奥澤氏:
在庫として置いてあったものが倒れただけで、それ以外は無事だったのが本当に不思議なくらいデータセンタのファシリティはすごい強固なのだと思いました。
林氏:
丁度震災の時、私は客先の現場にいたのですが、免震装置が稼働しているのを見ました。ほんとにすごいストロークでラックが動いているんです。
菅野氏:
免震の方法にも色々ありますよね。建物免震や床免震、ラックを乗せる免震まであります。
奥澤氏:
東北にある事業者さんは免震というレベルではなく物理的に電気が落ちて接続が切れていました。
菅野氏:
結局、機器は大丈夫でも電源の確保という問題のほうがシビアなのでしょうか。
林氏:
例えば輪番停電なんかもそうですよね。
武末氏:
弊社のL2スイッチでPoEに対応したものがあるんですが、内部にUPSが入っています。 震災後、計画停電の「3時間」というタイムリミットに対応できないかという問い合わせが増えました。
菅野氏:
今回の震災でわかったことの1つに、今までの日本にとって電気は電力会社が当たり前のように供給してくれるもので、それは落ちるという前提になかったということです。海外のデータセンタの規格でいえば、実は落ちるのが当たり前なんですよ。
武末氏:
コストをかけられる企業では、実際に自家発電をやりはじめていますね。
菅野氏:
イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも問題ですね。そこを考えるというのが今後のファシリティの1つのポイントになると思います。
奥澤氏:
ShowNetを発電機でやると面白いかもしれないですね。
武末氏:
震災の復興とはちょっと異なりますが、大きなビルを持っている方が何パーセントかの消費電力を削減しないといけない状況も見えてきています。今は蛍光灯を何本かはずしたりといった対応をしていますが、作業効率的には良くないです。そこでインテリジェントな調光システムなどは注目されていますね。一方でビル管理で何か異常があったときに、確認するために警備員が行くのでなく必要な部分だけ遠隔地から操作して電気をつける/消すといったことも重要ですね。

伊藤氏:
インフラマネジメントの話しですね。データセンタなどのもともとインテリジェントを前提にしているので、今後のビル管理のになるのではないでしょうか。
菅野氏:
例えば電子施錠もその1つですよね。
伊藤氏:
欧米はそのあたり非常に充実していますね。
ファシリティだけでなく従業員の管理なんかもしっかりしています。例えばあるIDをもった人が日ごろ来ない時間に出社するとアラートが上がるとか。
矢島氏:
なんでこんな時間にくるんだ?って。
菅野氏:
アメリカなどでは積極的に自動化していくような流れがあります。だからデータセンタを切り口にしてインテリジェントにいろんな情報を取り出してどう活用するかを考えるべきでしょう。
武末氏:
日本では各種センサーにアウトプット用のシリアルはあってもそれをシリアルOverIPして集約してアラーム検知やメール送信といったものまでは考えていないわけです。
奥澤氏:
警備員さんが巡回するまで気づかれないとかそういう話ですね。
菅野氏:
実際にテクノロジーは生まれてきているから、今後は普及してほしいという方向性のメッセージになりますよね。

伊藤氏:
そうですね。今回の震災でも日本のインターネットは大きな影響を受けずにいました。そう考えるとインターネットというインフラを使わない手はないと思うんです。
武末氏:
僕は揺れたときにビックサイトにいましたが、まず有線のインターネットは問題なくつながりました。
伊藤氏:
それを支えるインフラ、ファシリティがもっと注目されて欲しいですね。
奥澤氏:
毎年、見せるのが難しいんですよ(笑)
伊藤:
ここ何年間で僕らの中で課題としてあるのは「ファシリティの重要性をどうShowNetの中で見せるか」です。震災をきっかけに、ファシリティの重要性が再認識され、注目度が高くなっているんじゃないかと考えています。
奥澤氏:
こういう話も問題かもしれませんが、需要が高まっている時ではありますね。

伊藤氏:
今年のPod5は「仮設NOC」的なイメージで作ろうとしています。こういう地震が起こったときに、仮復旧させるために必要な機器をファンレスの耐環境仕様のスイッチや無線と絡めてやっていこうと考えています。

セキュリティや災害は起こると投資のきっかけになるという話がありますが、ケーブルテスターなんかは逆じゃないかなと思いますがどうですか?
矢島氏:
完全に初期投資ですね。しかし、津波で流されちゃったんだけれどなんとかならないですか?という話はいただきます。当然震災の後、復旧のところで必要になってくるとは思います。
伊藤氏:
ファシリティは関係する製品が多いので、とにかくアバウトにでも「こういうのが大事だよね」という部分に落とし込むことができません。そんな中で今回の地震は大きなトリガーになるんじゃないかと思っています。なんとなくあって当たり前だったものがもう一度見直されるタイミングだとも言えるでしょう。それぞれのものはバラバラではなくて、すべて連携して動けばよりよいものになります。上手く連携してファシリティを世の中にアピールして、正しく認識していただいて良いものを提供できるアライアンスみたいなものになればいいなと思います。その上でアメリカなどを見習って、省庁の壁が取っ払われればこの国も強くなるんじゃないか、と壮大な話で締めくくりたいと思います。

ShowNetは最先端の技術を来場者にライブでお見せすること、出展者にネットワークを使ったデモ環境を提供することが大きなミッションです。来場者がそれらを支えるラック、電源、ケーブル、テスターといったファシリティにも注目してもらえるようなShowNetのファシリティを作っていきたいと思います。

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