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展示会2日目の基調講演は、「NGN」と「The Internet」の立場にいる2人の講演者がそれぞれの思いをぶつけあう「対決色」を持った1日となった。 |
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最初に壇上に登ったのは日本電信電話 代表取締役副社長 山田 隆持氏だ。「光ブロードバンドの発展とNGNへの取り組み」と題した講演で、まず日本のインターネット環境について、ブロードバンドや携帯電話など、各種サービスに対する全体的な加入状況を解説した。それによるとFTTHが急激な伸びを見せており、NTT東日本では2006年12月に、西日本では2007年3月に、それぞれADSLとFTTHの加入者数が逆転しているという。この勢いで増加した場合、NTTグループだけでも来年には1000万件を越える加入者数となる。 |

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続いての基調講演を行ったのは、ジェフ・ヒューストン氏だ。APNICのチーフ・サイエンティストであり、IETFにおいて3つのワーキンググループの議長を務めるヒューストン氏は、まず「昔は300bpsでイライラしながら通信していたが、今はギガビットのイーサネットが一般的になった。しかしIPネットワークとしてみれば、パケットをやり取りする部分は同じで、伝送に使うものが異なっているにすぎない。ノルウェーでIPを伝書鳩に託し、IP通信が行えることを実証する実験も行った」と、インターネット通信の基本であるIPについてこれまでの歴史を交えながら語った。 |
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そのうえで「今大企業は、様々なサービスに対して1本ずつ回線を用意している。製品群に対して多数の回線が必要であり、さらにそれらを制御するためのネットワークすら必要となっている。最終的に1つの企業で100本の別々の回線を用意していることも珍しくはない」と現在のネットワークの在り方について述べ、「しかしこれは正しい状態とは言えない。どのネットワークがオン/オフになっているか分らない状況よりも、1つにして管理しやすくするという考え方は、理論上正しいといえる。そして、これをコンバージェンスと呼んでいるのが現状だ」と続けた。 |

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さてInterop Tokyo 2007の会場に目を向けてみよう。先に紹介したBEST OF SHOW AWARD 2007のベンチャー部門にノミネートされた製品群が並ぶのが、このVentureパビリオンだ。日本のITの現場が進んでいくためには、既存の企業の力ももちろんだが、新しいソリューションや製品の登場も欠かせないポイントだ。Ventureパビリオンには、次世代の標準やメインストリームを目指す製品やソリューションがひしめき合っている。知名度という点ではまだまだだが、新しい着想を基にした製品は来場者の興味を十分に引き付けるものがある。 |
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Interop Tokyo 2007の併設イベントIMCでも、様々な新時代を予感させるデモンストレーションがみられる。しかも一般的にはあまりなじみがなくても、すでにデジタル化の波が押し寄せている放送業界では、今まさに使われはじめている最新のソリューションが目白押しなのだ。 |
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展示会1日目のレポートでは、ShowNetウォーキングツアーについてお伝えした。実際にツアーに参加した人であれば、ShowNetがISPをモデルにしたネットワーク構成をとり、IPv6によるオペレーションを行っているといった知識を得たことだろう。そして「なぜ、そうしているのか」という疑問がわくはずだ。その疑問に答えてくれるのがコンファレンスプログラム「ShowNetスペシャルセッション」だ。展示会2日目に、3部に分けて行われたこのセッションは、昨年のInterop Tokyo 2006からはじまった、ShowNetと来場者を結ぶ新たな取り組みの1つだ。昨年は丸1日かけてShowNetをひも解いていくものだったが、今年はテーマごとに分け、個々の課題から今年のShowNetを通して、インターネットの今を学ぶことができる。 |
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たとえば「なぜIPv6なのか」という点に関しては、これまで言われてきた「IPv4アドレス」の枯渇問題が、いよいよ本格化してきたことが影響しているからだ。現状の予測では、2010年にはIPv4アドレスの割り当ては停止され、IPv6でのオペレーションが必須となっていく。またWindows VistaやMac OS XなどのIPv6に標準対応したOSの存在も切り離すことはできないという。あまり一般的に知られていない内容も多いせいか、参加者は質問するよりも「今自分が置かれている環境」をしっかりと受け止めることに力を注いているようにも見えた。 |