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Interop直前企画スペシャル対談実現!グリーンITを斬る

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IMC TOKYO2008



デイリーレポート

「次の時代」を見据えた展示がInterop Tokyo 2008の会場に集結

Interop Tokyo 2008の展示会場が6月11日にオープンした。開場直後から続々と来場者が押し寄せ、パビリオンやブース、講演などを熱心に見つめていた。展示会場オープン初日のDaily Reportは基調講演の内容に加え、注目の講演やShowNetツアーについて紹介する。

いよいよスタート Interop Tokyo 2008開会式

来場者の熱気が通じたのか天候も回復した6月11日、Interop Tokyo 2008の展示会場がスタートした。オープンに先立って、幕張メッセのエントランスにて開会式が行われた。開会式ではInterop Tokyo 2008 実行委員会 委員長の高橋 徹氏による挨拶のほか、来賓による挨拶が行われた。テープカットが行われると会場がオープンし、ついにInterop Tokyo 2008の展示本番がスタートした。


テープカットが行われ、Interop Tokyo 2008展示会場がオープンした

基調講演レポート1「地球とインターネット~人と社会と科学技術のイノベーション~」

Interop Tokyo 2008最初の基調講演を行ったのは、慶應義塾大学 環境情報学部 教授 村井 純氏だ。テーマは「地球とインターネット」で、Interop とIMCの両イベントに関する内容を取り上げた。村井氏は単にインターネットがPCのものではなく、高画質化・高機能化を遂げる家庭用テレビこそが、今の日本におけるインターネットの代表的な利用機器であると語る。インターネットを使ったVOD、そしてNGNの活用の1つであるビデオのマルチキャスト配信など、放送と通信が融合した環境ができつつある。村井氏は、この環境を実現しているのが、日本の特に首都圏で広まっている家庭への光ファイバの敷設だと述べる。
実は、日本は家庭のインターネットのトラフィックメジャーメントの研究を可能にした唯一の国であるという。これも家庭へ光ファイバが引かれているからこそ実現できたものだ。実際にトラフィックのピークを計測した結果として、以前は深夜に集中していたものが現在はゴールデンアワーに移ってきているという。実際に家庭で人間が使うトラフィックによってピークが発生していることをあらわしており、これは「終日行われるP2Pのファイル交換によってトラフィックが圧迫されている」という説を覆す結果だ。


慶應義塾大学
環境情報学部 教授 村井 純氏

村井氏は、現状の光ファイバの敷設状況をさらに進め、光ファイバの絨毯が東京を埋め尽くす「フォトニックネットワーク」の実現を目指したいという。フォトニックネットワークによって首都圏で溢れているトラフィックをカバーし、さらに放送とインターネットの区別なく、サービスの可能性が広がるとのことだ。さらにこのネットワークインフラをアジア地域に広げ、ビジネスに活用する土台作りを推し進める役割を日本が果たしていくべきだとし、その実現に向けてInterop の参加者と共に考えていきたいと締めくくった。

基調講演レポート2「進化する、クロスメディア」

続く2本目の基調講演は、株式会社電通 上席常務執行役員 メディア・コンテンツ本部副本部長 杉山 恒太郎氏による「進化する、クロスメディア」だ。クロスメディアと聞くと「複数のメディアで展開するコンテンツ」を思い浮かべるだろう。しかし杉山氏はクロスメディアとは「複数のメディアをつなげるもの」であると定義づける。
現在、「続きはWebで」や「○○で検索」といったテレビとインターネットをつなげるCMが数多く見られる。これは限られたCMの時間を有効に活用するために考えられたものだという。主に「ダブルウィンドウ族」と呼ばれるテレビを見ながらPCで調べものをする、という人たちに向けた手法であり、これまで一定の成果をあげてきたとのこと。しかし最近ではテレビ+PCからテレビ+携帯電話へ環境が変化しているという。携帯電話の機能が強化され、まさにパーソナルな情報端末としてパワフルなものになってきていることが、「PCの使えない20代」を生み出している。
杉山氏は同社の独自調査を基に分析した結果を交えながら、このような消費者の変化によってメディア展開をする側は、消費者がどのように情報の間を泳いでいるかを知ることが大事であると結論付けた。


株式会社電通 上席常務執行役員
メディア・コンテンツ本部副本部長
杉山 恒太郎氏

次の時代のビジネススタイルを見つめる「グリーンIT&エンタープライズ2.0」

今年のInterop のテーマとして、「グリーンIT」と「エンタープライズ2.0」がある。 テーマを冠したパビリオンでは各種セッションが行われ、来場者の注目を集めていた。その1つがクライメート・セイバーズ・コンピューティング・イニシアチブによる「IT機器の電力消費削減を推進するクライメート・セイバーズ・コンピューティング・イニシアチブのご紹介」だ。講演者はスポンサーメンバーの企業の1つである、日本電気株式会社 技術エキスパート 横山 淳氏だ。

クライメート・セイバーズ・コンピューティング・イニシアチブは、エコロジーに注目する消費者や企業、環境保護団体が参加する非営利団体で、PCの電力効率改善およびエネルギー消費量の削減を行い、地球温暖化対策とエネルギーコストの削減を行うことを目的としている。このセッションでは同団体の取り組みについて紹介しており、同様に環境意識の高い来場者が多く参加していた。

また、エンタープライズ2.0のテーマについてのセッションの中から、ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム ネットコンピューティングイニシアティブ 会長 津田 邦明氏による「ネットコンピューティングの進展とASP・SaaSのイノベーション」も、注目された1つである。
津田氏は、現在ICTの中心的な存在として注目されているASP・SaaSについて「新しいビジネスの形である」とし、1つのベンダーがこれまでのビジネスに囚われずにビジネスを行う鍵になると語る。例としてNTTの前身である電電公社をあげ、キャリアでありながら端末のレンタルまでを行ってきたように、ASP・SaaSの登場は境目のないサービス展開が進む要因となると分析した。また今後は高速な無線環境の登場や、これまでPCの利用が限定されていた医療関係や学校などの大量導入が見込まれていることを受け、さらにASP・SaaSの利用が進むと述べた。

クライメート・セイバーズ・コンピューティング・イニシアチブのスポンサーメンバー、
日本電気株式会社 技術エキスパート
横山 淳氏

ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム
ネットコンピューティングイニシアティブ 会長
津田 邦明氏

ビジネスチャンスはどこにある? 多数の来場者が注目したIMCのセッション

これまで「未来志向」の印象が強かったIMCだが、今年はグっとビジネスが身近に感じられるセッションが多数行われ、来場者の注目も集まっていた。中でも「Digital for Cinema Pro」で行われた「RED CINEMA WORK FLOW」は、RED Digital Cinemaの革新的指導者 Ted Schilowitz氏が登場するとあってか、多くの来場者が足を止めてデモンストレーションに見入っていた。同社の4K対応デジタルシネマカメラ「RED ONEデジタルムービーカメラ」を使った映像や素材を基にしたデモンストレーションは、デジタルコンテンツ作成を変革する大きな力になると感じた。

また株式会社電通 インタラクティブ・コミュニケーション局 部長 飯島 章夫氏と株式会社 Jストリーム 上席執行役員 山下 徳夫氏による「米国動画コンテンツ配信プラットフォーム事情」では、米ブライトコーブ社の「PaaS(Plattform as a Service)」についての解説が行われた。日本ではまだ同様のビジネスの実績が少なく、動画コンテンツ配信先進国である米国の事例として、コンテンツビジネスに関係した来場者の注目を集めていた。

また「検索ビジネス」の面からは、オーバーチュア株式会社 マーケティング 市場開発 アソシエイト・ディレクター 小野寺 好広氏による「進化するサーチマーケティングと新市場開拓への道」が注目された。検索が顧客の入り口となる現在では、いかに検索サイトを広告媒体として活用するかが重要となる。このセッションでは同社のこれまでの取り組みから「サーチマーケティング」の活用法について基礎から解説された。


RED Digital Cinemaの革新的指導者
Ted Schilowitz氏

ブライトコーブ社のビジネスカテゴリについて詳細な解説が行われた

オーバーチュア株式会社 マーケティング
市場開発 アソシエイト・ディレクター
小野寺 好広氏

前に出てます! ShowNet

これまでは「Interop のネットワークを影で支える」イメージの強かったShowNetだが、昨年あたりから積極的に情報発信に力を入れている。その中でも目玉なのが、毎年恒例かつ人気が集中しているShowNetウォーキングツアーだ。開場前に行われたプレスツアーでは、今年から中心的な役割を担っている奈良先端科学技術大学院大学の門林雄基氏と慶應義塾大学の重近 範行氏の両名による解説が行われた。

今年のShowNetの特徴は3年後のリアリティを見据えた様々なチャレンジングにある。ネットワークの仮想化やキャリアグレードNATなど先進的なネットワーク作りが行われている。ShowNetが持つ、最新技術を大規模にテストする「実験の場」としての役割を最大限に発揮した構成であると言える。Interop Tokyo 2008の会場に足を運ぶと分かるのだが、これまで各HALLに存在していた「POD」の姿が今年は見られない。村井氏の基調講演でもあったように光ファイバの普及が1つの要因になっているという。従来は100mというケーブルの伝送限界があったが、光ファイバによってその問題が解決できたという。さらにNOCがHALLに降りてきたこともPODを使わずにネットワークを敷設できる理由だとのことだ。

またShowNetをより深く知ることができるものとして、今年から「ShowNet ハンズオンセッション」が行われている。これはShowNetで使っているのと同じ機材と自分のPCを用いて、「設定しながら学ぶ」というもの。見た目は地味だが、一般の人はなかなか触れることができない機材に触れられるとあってか、参加者は皆集中して講義に聞き入っていた。


恒例となっているShowNetウォーキングツアーは、単なる展示会にとどまらないInterop Tokyoならではの目玉企画だ

ShowNetハンズオンセッション会場。NOC・STMのメンバーと共に、実際にShowNetで利用している機材の設定方法について学ぶ。

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